イモリ全書
イモリとは
アカハライモリ(英語:Japanese fire-bellied newt 学名:Cynops pyrrhogaster)は、 ニホンイモリとも呼ばれ、
両生類・有尾(ゆうび)目・イモリ亜目に属する、日本を代表するイモリです。


   イモリの姿

からだ
  からだ

 頭・胴体・尾があり、トカゲのような形をしています。

 全長:オスは7cm〜11cmくらい、メスは8cm〜14cmくらいです。

 体重:3〜12gくらいです。


顔
  顔・あたま

  目
 カエルのように大きな目です。まぶたがあり、目をつぶることがあります。
 またよくみると、目全体が、薄くて透明なレンズのようなもので覆われています。

  鼻
 丸い鼻先に、針で開けたような小さな鼻の穴2つあります。
 イモリは視力が弱く、何かを探すときは、主ににおいに頼ります。

  口
 口は、とても幅があり、目よりもむこうまで裂けています。
 またよく見えませんが、上下のあごに 歯があります。
 また、イモリは基本的に声を出さないのですが「キキッ」と鳴くという噂があります。

  耳腺(じせん)
 目の後ろにでっぱっているのは耳腺です。
 イモリはここから毒を出します。


頭
手足
  手足

 前肢と後肢が2本ずつあります。
 つめや水かきはありません。(※サンショウウオにはつめがあります。)
 また、指の関節の部分色が濃くなっています。

 前肢
 前肢の指は4本ずつあります。 一番内側の指が最も短く、
 内側から3番目が一番長いです。

 後肢
 後肢の指は5本ずつです。 一番内側の指が最も短く、
 内側から3番目か4番目が最長です。

オス・メスの違い
  オス・メスの違いは?

 左の絵を見てください。上がオス、下がメスです。
 オスとメスを見分けるポイントは以下のとおりです。

 1.尾の形
 オスの尾は横から見ると太くて短く、ヒレのようで、先が急に細くなってとがっていますが、
 メスの尾は細長くて、先端までだんだん細くなっています。

 2.肛門の大きさ
 オスの肛門はメスのより膨らんでいます。

 3.からだの大きさ
 また、メスのほうがからだが大きいようです。
 (オスは7cm〜11cmくらい、メスは8cm〜14cmくらいです。)
 特に繁殖期のメスは卵を持ち、腹が少し膨れています。

 ※ただし、実際に見比べようとすると、これらの違いが微妙です。
  オスが繁殖期に、紫がかった「婚姻色」を現したときが、一番正確に見分けられるでしょう。


背面   背面

 色はたいてい黒か黒褐色です。赤褐色のものもいます。
 背中の中心は、頭から尾まで隆起しています。

腹面
  腹面

 鮮やかな赤の腹に、黒い斑点や斑紋があります。
 (「アカハライモリ」という名は、この「赤腹」からつけられました。
  「アカハラ」とだけ呼ばれることもあります。)
 ただし、その色合いや模様は、それぞれのイモリによって様々です。
 赤い色の部分ががオレンジ色のものから濃い赤のものまでいます。
 黒い斑点が全体に広がっているものや、また、黒い斑点が全くないイモリもいます。
 また、赤い腹は、敵に「自分には毒がある」と知らせるための「警告色」になっています。



  地域による外見の違い(地理的変異)

 北のイモリほど体が大きく、関東のイモリの尾は、短く幅が広い、
 山陰・北陸地方は黒い斑点が著しいが、表日本や太平洋沿岸地域のものはそれが少なく、
 近畿地方北部〜中国地方東部のイモリは腹の模様が複雑であるなど、
 地域による外見の違いがあるといいます。

 また、近年の調査で、遺伝的に大きく4つの集団(東北集団・関東集団・西日本集団・<その中間型>・南九州集団)
 に分化していることがわかりました。そして、その集団内でも地域的な違いがあるそうです。
 イモリのように尾を持つ両生類はあまり移動しないでずっと同じ地域にいるので
 地理的な違いが出てくるのだそうです。
 <動物たちの地球 朝日新聞社>

 外へリンク ニホンイモリ地域個体群の形態特徴 (HOME of Dr.GRUMMAN)



  色素変異個体

 普通のイモリと違って、全身真っ赤なものが、稀にいるそうです。

 外へリンク アカハライモリ(びっきぃとやまどじょう)
 外へリンク アカハライモリ赤変個体(湘南アクアリウムへようこそ!)




   イモリの特徴


  呼吸

 イモリは一生のうちに変態(からだの仕組みが変わること)し、呼吸方法も変わります。

 幼生のときは魚のような姿をしていて、水中にとけこんでいる酸素を取り入れて、えら呼吸します。

 成体になると肺呼吸皮膚呼吸を行います。
 普段は水中にいますが、時々水面に上って空気を吸い、肺呼吸します。。
 しかし、肺は十分に発達していないため、肺呼吸だけでは不十分なので、陸に上がって皮膚呼吸も行います。
 そのとき口の下のノドの部分が動くので、呼吸をしているのがよくわかります。



  変温動物

 イモリは、変温動物です。
 私たち人間や鳥類が、常に体温を一定に保つ恒温動物であるのに対して、
 変温動物とは、まわりの気温や水温の変化につれて体温が変化する動物です。
 (魚類・両生類・爬虫類がそうです。) 
 変温動物は周りの温度に左右され、寒すぎると動くが鈍くなり、
 30℃以上の暑さになると死んでしまいます。
 イモリはたいてい20℃前後の水に住んでいます。
 体温がその水温に合わせているので、その皮膚を触るとやや冷たいです。



  皮膚の秘密

 イモリのからだの表面にはウロコや羽毛など、からだを保護するものはありません。
 皮膚は薄くてはだかの状態です。
 皮膚は乾燥に弱く、乾いた環境では生きていけません。
 そのため、からだが粘液で覆われ、常に湿っています。
 しかし、水場から完全に離れることはできません。
 また、皮膚が湿っているのは皮膚呼吸をするためでもあります。



  毒がある

 イモリは、フグ毒(テトロドトキシン)と似た毒を持っており、  危険になると、皮膚から白くて臭い液を出します。
 これの毒がにがくてまずいので、イモリを食べる生き物は少ないようです。
 また、イモリの毒は猛毒ではありませんが、イモリを食べて死んだ動物がいるといいます。
 また、イモリを触った手で目をこすると粘膜が腫れてしまうので、すぐに手を洗う必要があります。





イモリ全書 TOPへ